公共工事を受注した際、各種の書類を発注者に提出する必要があります。
提出書類は発注機関によって異なる部分がありますが、ここでは長崎県が発注する公共工事を例として、主な書類についてまとめてみました。
契約書
まずは契約書です。
金額によって、契約書が必要となるケースが決まっており、長崎県発注工事では250万円を超える工事または100万円以上~250万円以下で「前金払」を請求する場合とされています。
提出期限は、特別な理由がある場合を除き「落札決定の日から7日以内に提出」とされています。通常、落札決定通知書等に契約期限が記載されていますので確認を怠らないようにしましょう。
契約書の様式については、発注機関のホームページ等より入手し、工事名等必要事項の記載および必要資料の添付を行い提出します。
契約保証
契約時には、契約金額に応じた契約保証金(契約金額の10%以上) を納める必要があります。
ただし、 国債等の有価証券の提供または保証事業会社や金融機関の保証、履行保証保険、履行ボンドによることも認められています。
現金による納付ではない場合、保険証券等を提出する必要がありますが、保険証券等の発行に時間がかかる場合もあるため早めに手配をする必要があります。
現場代理人決定通知書
様式は定められたものを使用し契約後7日以内に提出します。
現場代理人は原則として当該工事現場への常駐することとなっており、これにより特別な場合を除いて他の工事と重複して現場代理人となることはできないため、注意が必要です。
計画工程表
工事着手前(工期開始日から、30日以内)に提出することとなっています。
ただし、500万円以上の工事では施工計画書の計画工程表がこれに代わるものとなります。
施工計画書
受注者が設計図書に基づき、工事着手前に工事目的物の施工手順、工法などを詳細に記載し、監督職員に提出するものです。
様式や作成例等は、自治体のホームページ等で公表されていますが、丸写しではなく落札した工事内容、工種等を加味し現場にマッチしたものを作成するように心がけて下さい。
コリンズ(工事実績情報)登録
500万円以上の工事が登録対象となっており、契約後10日以内に登録する必要があります。
公共発注機関は登録内容を利用し、工事実績の確認および技術者の配置状況の確認等を行います。
請負代金内訳書
内訳書には現場労働者に関する健康保険、厚生年金保険及び雇用保険の法定の事業主負担額の記載が必要です。
入札時に提出した工事内訳書に上記の記載がある場合は、これを請負代金内訳書として取り扱えることとなっています。
その他
上記のほか、「法定外労働者災害補償制度の加入確認書類」、「建設業退職金共済制度掛金収納書」等の確認書類が必要となります。
まずは確認を
公共工事を請負う場合、取り急ぎ準備の必要がある主な項目について長崎県発注工事を例として掲げました。
ただし金額の大小、工事の内容、発注機関により、必要な手続き、提出書類が異なってきます。
落札をした場合、まず発注機関の担当者を訪ねて工事を請負うこととなった連絡と、提出書類の確認を行うことをお勧めします。