民間、下請け工事より公共工事の割合を増やしていこう。
公共工事をメインにやっていこう。
今後の方針として、上記のように考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は人員の面から見た、公共工事を受注するうえで注意しなければならないことについて、当事務所の考えを述べさせていただきます。
現場代理人と主任技術者
公共工事を受注したら、現場代理人を配置しなければなりません。
この現場代理人は、基本的にその現場専任で常駐が求められます。
さらに主任技術者についても請負金額によって専任の配置となります。
現場代理人と主任技術者両方を兼ねて一人の方に任せるとしても、最低一人は現場への専任が必要になってしまいます。
何が言いたいかというと、公共工事の受注数に応じてその現場専属の人員が必要になってくるということです。
工事を落札したのは良くても、いざ人員を配置しようとしたところ、既に別工事の現場代理人等に配置済みの方ばかりで、現場代理人を配置できないという事態に陥ってしまうと、契約の取り消しといった最悪の状況となってしまいます。(こんなことは無いと思いますが・・・)
入札には、落札できた場合に確実に契約、工事履行をできる体制づくりを行ったうえで臨むようにする必要があります。
何件の工事を受注することができますか?
公共工事を受注することができるとしたら、何件程度を受注可能ですか。
民間工事の受注や下請けを行っているならば、その人員を含めて考えてください。
人員に余裕がある場合は良いのですが、少人数の場合は手持ちの工事、今後予定されている工事と工期、そして配置する人員をパズルのように組み合わせて工事を受注していかなければなりません。
現在人員が配置されている工事の工期によって、いつぐらいなら別の現場に配置できるかということを考え、その時期の工事案件を調べるといった感じです。
また公表されている発注予定を調べて、「受注したい!」というような工事があれば配置する人員を確保しておくといった考えも必要ですね。
入札の場合必ずしも落札できるわけではないため難しいのですが、落札できた場合とそうでなかった場合をそれぞれ想定して受注計画を立てていき、民間工事や下請け工事と合わせて工事が途切れないようにしていく努力が必要です。
若い方の育成に力を入れて
これまで私が経験してきた中には、せっかくの人員を十分に生かせていないという業者様もいらっしゃいました。
雇用している人数は多いようでも、現場を任せることができる方は限られているという感じです。
早い段階で教育を行い、現場での技術的なことだけでなく主任技術者や現場代理人として施工管理全般を任せられるような人材に育て上げていく必要があります。
人材を育成することで、契約できる工事の件数も増えていくことになります。
現場では、発注者とのやり取りだけでなく自分より年上の下請け業者さんを動かしていかなければならない状況も生じ、若い方にとっては思った以上に精神的な負担になってしまうといったケースがあります。
いきなり一人で大規模な現場を任され、精神的にも肉体的にも参ってしまい転職を考えるといった事例を耳にすることもありました。
そうならないために早い段階で小規模な現場から先輩のフォローを受けつつ経験を積んでいってもらうことが必要かと考えます。
まとめ
いざ公共工事の元請けになると、下請け業者のミスであっても責任を取らなければならなかったり、工事完成前であっても下請け業者等へ支払いをしなければならなかったり、いろいろと考慮しながら進めていかなければなりません。
ただ、今回はそういったことではなく、もう一つ前の段階で公共工事を受注していくための体制づくりの面で、人材育成の話を述べさせていただきました。
皆様それぞれの状況によって、意見が分かれることとは思いますが少しでも参考にしていただける点があれば幸いです。