施工管理技士試験改正で出題内容も変わる?

建設業を営む方にとっては、主任技術者となるための資格として多くの方に馴染みがあると思われる「施工管理技士」ですが、試験制度の改正が行われ令和3年度より取り扱いが変わります。

今回は制度改正後における資格の取り扱いについてと、試験内容について解説いたします。

技士補の新設

これまでの試験では、学科試験と実地試験両方を合格することで初めて施工管理技士という資格を取得することができました。

今回の改正では「第一次検定」、「第二次検定」とされ第一次検定の合格者を「技士補」、第一次検定及び第二次検定の両方の合格者に「技士」の称号を付与することとされました。

「第一次検定」のみの合格者も「技士補」としての資格を取得することができるようになったことが、大きな変更点です。

比較イメージとしては下記をご覧ください。

※国土交通省HP「技術検定制度の見直しについて」を画像ファイルとして表示

技術者としての取り扱い

今回新設された技士補ですが、これは単に第二次検定の合格待ちを表すのではなく、経営事項審査や現場において評価の対象となります。

例えば経営事項審査において、主任技術者の要件を満たした方が1級の技士補を取得した場合、「監理技術者補佐」となり2級技士よりも加点数が増えます。

また監理技術者の専任配置が必要な現場において、監理技術者補佐を専任で配置することにより監理技術者の兼任が認められる場合も出てきます。

気になる試験内容は?

今回の制度改正によって「試験内容が変わってくるのか?」が資格取得を目指している方にとっては気になるところだと思います。

受験対策講座等によっては、「大幅に内容が変わります!」といった表現をしているところもあり不安になる方もいるのではないでしょうか。

今回はっきりしているのは、出題構成が変わるというものです。

これまででは、学科試験は知識問題、実地試験は能力問題として構成されていました。

新制度でどうなるかというと、第一次検定では知識問題に実地試験で求めていた能力問題の一部が加わり、第二次検定では能力問題に学科試験で求めていた知識問題の一部を加えることとなっています。

つまり第一次検定では、これまでの学科試験(マークシート)の試験に加え、実地試験で出題されていたものと同等の問題が出題されるということになります。
※解答方法はマークシート方式

そして第2次検定でもこれまでの実地試験内容に加え、学科試験で出題されていた知識問題が出題されるということです。
※解答方法は記述式

試験内容詳細については、各試験機関の受験案内を一度ご確認ください。

試験の難易度は?

私自身、施工管理技士の資格を取得しているので、新制度における試験が実施されたら公表される問題を見て、以前と比べてどう変化したのか判断できるのですが、現時点で試験が行われていないためそれはできません。

個人的には試験自体これまでのものと難易度が大きく変わることは無いと考えています。

ただ一点注意することを挙げるとしたら、一級の第一次検定における足切りです。

合格基準については各施工管理技士によって若干違いがあるのですが、土木工事施工管理技士を例に説明します。

一級土木施工管理技士 第一次検定合格基準
  • 得点が全体の60%以上であること
  • 施工管理法(応用能力)の得点が60%以上であること

2番目の施工管理法(応用能力)の得点というのは、「実地試験で求めていた能力問題」にあたります。

改正前、一級の試験は学科試験、実地試験と別々の日程で行われることから、学科試験まではひたすらマークシート対策を行い、学科試験終了後に実地試験(筆記試験)対策を行っていたという方もいると思います。

ただ、今年からは以前の学科試験にあたる第一次検定に「能力問題」が加わり、その部分だけで60%以上の得点が必要とされています。

解答方法がマークシート方式とは言え、これまでに受検経験があって実地が苦手」という方は注意が必要かもしれません。

また、2次試験に加わる知識問題も解答方法が記述式のため名称、表現等をキチンと記述できるようにしておかなければいけません。

国は技術者を増やしたい

上記で「試験自体はこれまでのものと難易度が大きく変わることは無い」といった考えを述べさせていただきましたが、私がこのように考える理由として、今回の制度改正に至った経緯があります。

建設業における現実として、就労人口の減少による技術者、担い手不足といった問題が生じており、これは施工管理技士の受験者数が横ばいで平均年齢は上昇傾向といった部分にも表れています。

国としては、「このままでは後継者育成もままならず、将来へ技術をつないでいくことができないのではないか」と将来を危惧している状況です。

今回の制度改正は、技術資格の早期取得を建設業への就労人口増加へつなげたいという考えと、今現在問題になっている技術者不足の解消を目指したいという目的があります。

そんな中、試験の難易度を大幅に上げるというのは考えにくいです。(意図せずそういう結果になることはあっても)

以前までの施工管理技士試験合格レベルとなる学習を行えば、新制度でも合格できると思います。

有料の講習会等は?

講習受講については個人の性格にもよると思います。

一人ではなかなか学習が進まないといった方は、講習等を利用した方がよいかもしれませんし、自分で学習計画を立てて進めていける方は独学でいいと思います。

ただ、有料講習を行っている予備校等が持っている情報量の多さと、スピードは独学ではかなわないかもしれません。

私の場合は3業種の施工管理技士を独学で取得しました。
(講習費用が馬鹿にならないので・・・)

まとめ

令和3年度より新たになった技術検定について、現時点でわかっていることを基にまとめてみました。

今後も新しい情報があれば、皆様にお知らせしていきます。

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【一級施工管理技士(土木・管工事)、二級施工管理技士(電気工事)】
施工管理技士3業種の所有者として、試験勉強に関するご相談もお受けします。

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