公共工事の入札に参加するため、入札参加資格審査申請(指名願い)を提出していると思いますが、提出先に見落としはありませんか。
地元の役所などには皆さん提出しますが、その分、入札参加者も多くなり競争率が高くなってしまいます。
役所以外でも数多くの入札が実施されていますが、見落としてはいませんか。
今回は入札参加資格審査申請書提出の時点で、しっかりと戦略を立てることの大切さについて説明します。
発注機関はどこ?
毎年、各地で様々な入札が実施されていますが皆さんはリサーチを行っているでしょうか。
とりあえず地元の役所に提出して、あとは待っているだけでしたら、せっかくのチャンスを逃しているかもしれません。
役所以外の公共団体、施設は存在しませんか?
また、そういったところの入札情報をチェックしていますか?
思いつくままに書き出してみると、地元の地方自治体をはじめ、警察、消防、労働局(職業安定所)、法務局、交通局、大学、森林管理署、財務局、税関、自衛隊、裁判所、健康保険協会…
まだまだありますがこのくらいにしておきます。
探せばあります!参加可能な入札案件
上で挙げたような機関から、様々な発注がなされています。
「警察?工事には関係ないだろう」なんて言わずに調べてみると、標識設置、信号機設置といったものから警察署、寮、派出所の改修、もしくは解体、新築といったものもあります。
改修の場合、内容によって空調設備等の管工事だったり防水工事であったりと、意外に色々な工種の発注がなされています。
ほかにも運転試験場の除草作業なんていったものもありました。
除草作業と入力していて思い出したのですが、以前、入札案件を調べているときに見つけたものの中に、一般競争入札、すべてのランク参加可能とされた、ある場所の除草作業がありました。
一般競争入札というのがポイントです。
指名競争入札のように連絡がないため、常に入札の公告をチェックする必要がありますが、見つけた場合、自らの意思で入札に参加できます。
逆に、他の企業はチェックを怠っていて、入札に気づいていないということもあるかもしれません。
この場合、思いがけず少人数での入札となり受注の大チャンスを掴めるかもしれません。
その発注機関では除草作業以外も工事の発注をしており、大規模から小規模までほとんどの工事を一般競争入札で実施していました。(工事金額で参加可能ランクは設定されています。)
ちょっとした改修工事など、中小規模の工事も数多く発注されています。
公共工事の経験が少ないうちこそ、こういった案件にどんどん申し込んで、経験を積むことが大切ではないかと思います。
あと、除草作業は金額的には物足りないかもしれませんが、必ず定期的に発注され、工期も短期間で済むので考え方によっては意外と魅力があると思うのですが…
各機関の発注内容を調べると
過去の発注内容を調べていくといろいろなことが分かってきます。
庁舎等の建物の改修はすべての機関で発注実績があるはずです。
あまり有名でないところでは森林管理署(森林組合とは違います)という林野庁管轄の機関があるのですが、国有林の管理をしているため全国どこでも発注の可能性があり、その内容も治山、造林工事だけでなく、林道、作業道の改良といったものまで含まれます。
ちなみに森林管理署の入札方式は一般競争入札の採用が多いようです。
提出先を絞りこむ
きちんと調査を行うことで、入札のチャンスを増やせるケースが多々あります。
ただ、チャンスを逃すまいと、すべての発注機関に入札参加資格審査申請書を提出するのは大変です。
行政書士へ依頼する場合は手間の代わりに、費用が発生してしまいます。
このため、情報を総動員して考えていくわけです。
まず、地元の地方自治体(県、市、町、村)は外せませんね。
このほかの発注機関をどうするかについて、ホームページ等を活用し次のようなことを調べていきます。
- 過去の入札結果(工種、入札方法)
まず第1に自社が希望する工種での発注がどの程度あるか、さらにどういった入札方法で実施されているのかについて調べます。
ここで、毎年ある程度の件数が発注されているようなら候補に入れていいかと思います。
特に一般競争入札方式での発注を実施している場合は、積極的に参加を考えたいところです。 - 発注予定
ほぼすべての発注機関はホームページ等で事業計画、発注予定といったものを公表しています。
発注予定は上半期、下半期のように時期を分けて公表されている場合が多いです。
あくまでも予定ではありますが、今後の発注で自社が希望するような案件があるか確認します。 - 入札参加資格の受付で随時受付も行っているか
入札参加資格申請は1年のうち、一定期間しか受付をしないところと、随時受付を行っているところがあります。
随時受付を行っている場合は、発注予定等を調べながら案件によっては年度途中に申請を行うということが可能となります。
こういったことをベースに、提出先を決定します。
なかなか思ったようにいかない場合もありますが、常に情報収集を行い試行錯誤していく中で少しずつ適正な提出先が見えてくると思います。
もちろん、考えられるすべての発注機関に提出するという方法でも良いですよ。
入札参加資格審査申請書の提出前に確認を
ここまでの流れで、入札参加資格審査申請書の提出先が決まったとします。
あとは申請書を作成して送付する、もしくは電子申請行うといった流れになりますが、建設工事だけでは足りない場合があるので注意が必要です。
何が足りないかというと、この記事の中で除草作業について記載した部分があったと思います。
こういった作業(役務の提供)については、受付先で取り扱いが違います。
建設工事の土木一式として発注される場合や、委託、役務の提供として工事とは別の扱いになっているケースもあります。
この場合、別途その業務用の入札参加資格審査申請書を提出しなければならないことがありますので確認が必要です。
まとめ
公共工事への参加を目指そうとなった時、入札参加資格審査申請書を提出する時点で勝負は始まっています。
情報収集を怠ることなく、せっかくのチャンスをみすみす見逃すことが無いようにしましょう。