前回のコラムでは第一歩として、入札方式や競争相手を調べ自社が置かれている状況を把握することについて説明しました。
今回も引き続きどういった準備を行っていくかについて解説します。
入札参加資格を得た後で、まだ実際の入札には参加していないといった時期での話になります。
電子入札の場合
入札方法が電子入札によるものとされていた場合、これに対応する環境を整える必要があります。
インターネットが利用できるパソコンは、皆さん備え付けていると思いますが、電子認証に必要なICカードが別途必要になってきます。
ICカードは電子認証機関に申請して入手することになるので、自治体等からの説明資料、HP等で確認し発行手続きを行ってください。
積算資料の準備
入札に指名された場合、すぐに内容を確認し積算作業を開始しなければなりません。
これに対応するためには、自社が入札に参加することになった際、どういった手順で積算を行うかを決め、必要なものを準備しておく必要があります。
積算ソフトの利用も一つの方法ですが、この場合も公共工事の積算方法について理解したうえで使用することをお勧めします。
積算ソフトを利用しない場合は、地道に計算していくことになるため必要な資料を手元に準備できるようしておかなければなりません。
資料としては公表されている労務単価、資材単価および積算基準が最低限必要で、これに物価本(建設物価、積算資料等)が必要とされる場合があります。
これらの資料を縦覧設計書へあてはめながら、設計金額を算出していくことになります。
営業活動?
公共工事において入札参加へつながるような活動を考えてみます。
まず思いつくのが地元での実績を上げるために、他の建設業者へ営業を行い下請けとして経験を積ませてもらうことです。
下請けとして工事に参加する際は、せっかくなので公共工事の流れ、書類作成等についても学まなばせてもらってください。
下請けによる実績作りの他では、発注者の工事担当部局への営業活動も有効な場合があります。
もちろん「入札に参加させて!」とストレートにお願いするのではなく(これを言ったら嫌な顔をされて入札は指名委員会で決定しているので・・・で終わります)、公共工事に参加する資格を得たことと、自社が行っている業務を知ってもらうための営業(名刺配り)です。
公共工事に参加していなかっただけで従前から建設業を営んでいる場合は、既に担当部局の職員と顔見知りかもしれません。
この場合も、公共工事へ参加できるようになったことを知ってもらうようにしてください。
災害、事故等により緊急の対応が必要で入札を実施するような時間的余裕もないというときは、大急ぎで業者を探し依頼をするということになります。
この際、皆さんの社名を担当者に思い浮かべてもらえるような状況を作れていたら、直接依頼があるというケースも考えられます。
入札案件ではなく少額工事や緊急工事等の一定の条件下で実施される随意契約においては存在を知ってもらうことの効果はあると思います。
こういった契約で件数をこなし実績と信頼を手に入れることによって、より規模の大きい工事の入札へつなげていくというのも一つの方法です。
入札公告の確認
入札へ参加するための準備を整え、必要な営業努力を続けても、肝心な入札情報を見逃してはどうしようもありません。
指名競争入札の場合はメール、郵送等によって指名されたことの通知があります。
制限付一般競争入札の場合はホームページや電子入札システム上に掲載される公告を見て、自ら参加意思を示さなければなりません。
気づいた時には入札日直前で、積算をする暇もないということにならないよう、常にチェックを欠かさないようにしてください。
まとめ
今回までで自分の立ち位置を確認し、入札に必要な条件も整えました。
次回は実際に入札へ参加する場合についてを予定しています。