元請業者が作成します
施工計画書を作成し発注者に提出するのは、その工事を任せられた元請業者です。
専門工事を下請へ発注したり、メーカー専門の特殊作業等も施工手順や工程を確認したうえで調整し最終的に取りまとめるの元請業者となります。
なので誰が作るのかと問われれば、元請の現場責任者という答えになると思います。
この辺りは、施工計画書が何を目的とするのかを考えていただくと、見えてくるのではないでしょうか。
施工計画書作成の目的と役割
元請として工事を請け負った場合、現場に入る下請業者の取りまとめ、工程調整、発注者との協議等を行いながら、求められた品質で工事を完成させる必要があります。
このために必要な手順や工法及び施工中の管理をどうするか等を定めたものが施工計画書で、施工管理の基準としての役割を持ちます。
この施工計画書によって、発注者及び下請業者に対して、どういった工程、役割分担、管理手法で工事を進めていくのかを示し、統一された考えのもと工事の完成を目指していくのが目的です。
各下請業者へそれぞれの施工計画を作成するようにお願いするとしても、それをそのままつなぎ合わせるのではなく、内容の確認、協議、工程の調整等を行ったうえで作り上げたものでないと、施工計画書としての役割を果たすことは難しいといえます。
このような確認、調整は建設業法で元請業者に求められるもので、元請業者が「下請工事に実質的に関与しているか」の判断材料ともなり、これが認められない場合は建設業法で禁止されている一括下請け(丸投げと)みなされる場合もあります。
こう考えると施工計画書を作る(作ることができる)のは、その工事の責任者(元請)ということになります。
公共工事における書類の取り扱い
公共工事において書類の整理、作成は元請が行うものとされます。
発注者が提出書類や現場についての説明を求める相手は元請業者(現場代理人)に対してです。
下請に任せていることを理由に適切な回答、対応ができなければ、発注者は「元請として現場を把握していないのかな?」と不信感を抱きかねません。
また、工事成績評定の中でも元請による下請への実質的な関与が求められており、下請業者任せと判断されると、採点への影響も考えられます。
元請業者(現場代理人)は工事全体の内容、工程、管理項目等を把握し、コントロールしていくことが必要であるため、施工計画書だけではなく工事施工時における様々な提出書類について責任を持つ必要があります。
自分で作るのが困難で、先輩やメーカー等に手伝ってもらったとしても、最終的に内容を確認、理解したうえで提出しましょう。