ポットの内側に付着する白いやつの正体

長崎県を中心に活動している行政書士のかきたです。

当事務所では水道業に特化した業務を行っていますが、こちらのブログでも一般の方向けの情報提供をさせていただきます。

ということで、今回は電気ポットの内側に付着する白いやつの正体は何なのかについてです。

正体はミネラル成分です

いきなり結論ですが、多くの場合は水道水に含まれているカルシウムやマグネシウムといったミネラル分が結晶化して付着したもので有害物質というわけではありません。

この水道水に含まれているミネラル成分ですが、原水として使用されている川や地下水によって多い少ないがあるため、結晶物の付着の起こりやすさは地域によって差があります。

よく「カルキが付く」という表現がされている場合がありますが、厳密にいうと本来の意味の「カルキ」とは違うもので、カルキが使われていないミネラルウォーターでも同じ現象が起こります。

2022/5/29追記
明らかに水自体が濁っている、異臭がするといった場合はほかの原因が考えられるので注意が必要です。専門業者等に相談し、原因を調べたほうがいいです。

水道水にカルキは使われていません

せっかくなので、よく言われる「カルキ」についてお話します。

この「カルキ」とは何かというと、水道水に使用が認められている消毒剤の一つである「次亜塩素酸カルシウム」のことでドイツ語では「クロールカルキ」と言われることから、カルキという呼び方になりました。

プールに投げ込まれている白い固形物といえばわかりやすいでしょうか。

現在、水道水の消毒では「次亜塩素酸ナトリウム」や「液化塩素」が使用され、カルキの使用はありません。(全国すべての浄水場を調べたわけではないため、もし違ったら申し訳ありません)

ポットなどにカルキが付くと表現するのも、白い色からイメージされたものだと思います。

どんなところに付着する

熱が加わるところ、水分の蒸発しやすいところへの付着事例が多いようです。

例を挙げると、電気ポット、加湿器、浴槽などがあります。

珍しいところではウォシュレットが詰まったという事例も経験しました。

防ぐことはできないの?

私が最も多く耳にするのは電気ポット(ケトル)です。

私自身も気づいたらポットの内側をコーティングするように付着していたという経験があります。

注意しなければならないのは「継ぎ足し使用」をしないことです。

24時間つねに電源が入った状態で、水が減った時だけ継ぎ足すといった使い方はアウトです。

これは、水分は蒸発して減りますがミネラル分は残るため、継ぎ足しながらの使用はミネラル分の濃度をどんどん濃くしていくことにつながるからです。

なので、水が減った場合はいったん中身を捨て、新たに水を入れるようにしてください。

継ぎ足しをしない、ある程度減ったら早めに水を入れなおす、一日一回は水を捨て中を洗い流すといったことを行うことで結晶物の付着は幾分抑えられます。

それでも結晶物の付着があれば早い段階でポット用の洗浄剤などで掃除することで、ガチガチにこびりついてしまうことをある程度防げると思います。

加湿器も同様で継ぎ足しをせず水を入れ替えるようにしてください。

浴槽などは毎回入浴後に、水分をふき取ってあげれば予防になると思うのですが、さすがにそれは大変なので、こまめに通常の掃除をしながら結晶物の付着が見られる場合は早い段階で水垢用の洗剤等で除去するといった対応になると思います。

硬い水と軟い水

硬水、軟水といった言葉をご存じでしょうか。

水質を示す数値の中に「硬度」というものがあり、数値が高いものが硬水、低いものが軟水と呼ばれます。

この数値を左右するのが、白い結晶物の原因となるカルシウム・マグネシウム成分の量です。

つまり使用している水道の硬度が高い場合、結晶物がより付着しやすい状況にあるといえることになります。

そして硬水と軟水の基準は複数存在しているのですが、日本では一般的に100mg/lを超えるか超えないかで硬水と軟水に分けている場合が多いです。

感覚的ではありますが、数値が90~100mg/lに近づいたぐらいで結晶物の付着を訴える声が目立ってくる感じです。

水道水を供給していいる事業者は、水質検査結果の公表をしなければならない決まりとなっていますので、自分が使っている水道がどうなのか知りたい場合は、市区町村に問い合わせれば教えてもらえますし、多くの地域でホームページ上での公開もしています。

まとめ

水道に含まれるミネラル分は、通常の浄水方法では取り除くことができません。

軟水化装置もあるのですが、現状では機器の導入費用と、ランニングコストが高額となるため市区町村へ対応を望んでもなかなか厳しいというのが現実だと思います。

このため私たち自身が「上手な使い方」を心掛けていくことが、現状の対応となってしまいます。

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