行政書士のかきたです。
台風19号が週末付近に日本へ接近するようで、少し不安を持ちながら天気予報を見ています。
さて、表題の運試しの件、中には「そーだよな」って同意してもらえる方もいると思います。
これは特に工事の「予定価格を事前公表」している発注機関の場合に顕著です。
まず公共工事の価格競争入札に関しての重要な数字は、「予定価格」と「最低制限価格」です。
予定価格は設計価格に係数をかけて決定され、通常は設計価格をわずかに下回る程度の金額です。
最低制限価格は先に求めた予定価格に係数をかけて決定されます。
2つの金額を決定する係数、計算方法等は発注機関の条例等で定められていて、ランダム数値を用い、一定の範囲内で毎回バラバラな率となるように決められています。
予定価格さえ分かれば、採用される係数の違いはありますが最低制限価格の範囲が想定できるため、いかにして正確な予定価格を求めるかが重要で、そういった積算能力が求められることとなります。
ここで上に記載したように予定価格を事前公表すると、どういったことが考えられるでしょうか?
例えば最低制限価格ギリギリでも十分な利益が見込めるような入札案件があったとします。
もちろん参加者は最低制限価格ギリギリを狙って入札に臨んできます。
ただし予定価格が分かっているため、積算能力による差は生じません。
必要なのは当日設定される最低制限価格にいかに近い数字を選べたかです。
最低制限価格は約2%前後の範囲内(例:91%~93%)でランダムに決められるケースが多いのですが、その範囲は分かっているため、あとは高めに想定するか低めに想定するかの違いです。
最低制限価格を下回ると失格となるので、そうならない範囲で最低制限価格に近付けることが落札につながります。
積算能力も関係なく皆同じような金額を想定できるため、あとは運になってきます。
入札後の会話も、「当たった」「外れた」という表現が使われたりしています。
予定価格を公表することは、それを漏洩するといった犯罪をなくすことにはつながりますが、運試し的に落札者が決まります。
入札制度については、常に検討が行われ様々な入札方式が考案されていますが、正解にたどり着くのは容易ではなさそうです。
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